拝啓〇〇様

ほかの誰でもない、誰かに向けて

現役東大生が選ぶ、今本当に読んで欲しい国際関係論の本3冊

f:id:daigakuseino:20190603202302p:plain

 


今「グローバル化」がもてはやされていますが、今国際分野の最先端ででどういう研究がなされているか知りたくないですか?

 

こんにちは、(くどいですが)現役東大生のこたけ (@busy_unistu)と申します。僕は、東大で「国際関係論」という分野を専攻してます。

 

 

今日は、

 

・国際法とか国際政治とか、勉強始めてみたけどいまいち面白くない...

・一番最新の情報や研究テーマを知りたい!

・まあ、国際的な議論くらいは知っておいてあげてもいいカナ/// 

 

 

などなど、

 

・国際関係論を本気で取り組もうとしている人

・新しい時代の国際関係論分野に興味がある人、

・ツンデレ

 

 

の人に向けてのエントリです。

 

東大で研究の最先端をみてきた僕が、これからの国際分野研究において必要になるエッセンスが詰まった最高の本を、3冊紹介します。

 

今回の3冊に関しては、まじでオススメです。

 

絶対に読んでほしいので、3冊まで絞りました。

 

あとで話すのですが、国際関係論の入門として学習するリベラリズムとかリアリズムとかは、もう古典(=古い時代の話)になりつつあります。

 

今回紹介するのは、今までと全く異なった観点から国際関係論を論じている、新時代を担っていく本たちだと確信しています。

 

現に、3冊ともこの10年以内に初版が出ています。

 

ちな、国際関係論ってまだよくわからな...って人のために、『国際関係論ってなに?』って説明もしています!

 

知っている方は、スルーでお願いします_φ( ̄ー ̄ )

 

 

 国際関係論とは

 

国際関係論をズバリ一言でまとめると、

 

「国際社会における物事を分析する学問!」

 

です。

 

国際社会ってのは、国家を1つの単位(エージェント)として要する社会です。

 

社会と聞くと、人が1つの単位として構成する日本社会などが思い浮かびますが、これの『国家バージョンの社会』と捉えればオッケーです。

 

日本社会でも、人が集まって国会を取り仕切ったり、株式市場で経済活動をしたり、犯罪を犯した人がいれば地裁で裁いたり、いろんな活動がなされますよね。

 

国際社会も同じで、国家が集まって国連を作ったりWTOを作って自由貿易を促進させたり国際犯罪を犯した国家や個人がいればICJで裁きます

 

僕らがイメージする社会と同じように、国際社会で起きていること全般を分析対象とするのが、国際関係論です!

 

なので、僕は必修で国際法、国際政治、国際経済、全部やります...

 

シヌ...

 

という話はさておき、さっそく本の紹介に入ります!

 

※あんまり真面目にやると重い記事になるので、テンション1.5倍でいきます。口調もイケイケにします。

 

1、アナーキーな社会の混沌と秩序: マルチエージェント国際関係論のフロンティア(山影進)

 

 

 

 

映えある一冊目はこいつだ〜〜〜〜来た〜〜〜〜

 

『アナーキーな社会の混沌と秩序』

 

こたけ的、最大のオススメの本。

 

この本は、国際関係論のコンピューターシュミレーションについて書かれた、日本語で唯一かつ最高の本と言って過言ではない。

 

マルチエージェントシステムでやっていることをスッゲーー簡略化していうと、「プログラミングをつかって国際分野における事象を再現する」ってことなんだ。

 

つまり、今まで1度しか観測できなかった戦争や革命を「何度でも」かつ「さまざまなストーリーで」シュミレートできるようになったってことだ。

 

国際関係論に、プログラミング的な「再現性」が持ち込まれた重大さをお分りいただけるだろうか?

 

社会科学系で禁忌とされてきた、「歴史のIf」の門が、プログラミング技術と複雑系科学の発達で、ついに開かれたんだ。

 

これまで「比喩や推論」の域を出なかった国際関係論のさまざまなセオリーが、プログラミングにより実証可能になった。

 

すでにこの方面の研究では、なんと、「冷戦時のアメリカ国内における核兵器使用の決断」をシュミレートがなされている。

 

国際関係論において、唯一にして最大のテーマである「キューバ危機」は、もうコンピューターの中で何千回と試されているって話だ。

 

やばくない?

 

まじでロマンじゃないすか?

 

他にもたとえば、著作内ではウガンダの独立モデルシュミレーションが紹介されている。

 

各エージェントを1つの共同体と定義し、エージェント間のシンボル(宗教や言語)の値を割り振り、初期配置を決定し、相互干渉型のゲームを何回も繰り返す...

 

そうして、ウガンダ独立に近似したモデルを作ることに成功している。

 

「再現性」「実証可能性」「モデル化」...

 

今までの国際関係論分野に足りていなかった部分が、技術の力で急速に発展していきている。

 

その入門書として、この本は丁寧に国際関係論とシュミレーションの概念を説明している。

 

プログラミングの知識とか全然なくても、絶対にわかるようになっている(はず)。

 

まとめの前に書いているが、今後プログラミングなどを使う研究は必ず主流になるという確信がある。

 

だから、これから国際関係論を学ぼうとするなら、絶対に読んでほしい一冊だ!

 

1冊目からすげーー文量だ!大丈夫かこのエントリ!

 

※著書の山影進っておっさんは、複雑なプログラミング技術がなくてもコンピューターモデリングができるソフトを作っちゃったんだよね。

 

まじすごい。

 

2、国家興亡の方程式:歴史に対する数学的アプローチ(ピーター・ターチン)

 

国家興亡の方程式 歴史に対する数学的アプローチ

国家興亡の方程式 歴史に対する数学的アプローチ

  • 作者: ピーター・ターチン
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2017/05/09
  • メディア: Kindle版
  • この商品を含むブログを見る
 

 

 2冊目は、『国家興亡の方程式』だ〜〜〜

 

タイトルの通り、国家興亡の歴史について、自然科学のようにアプローチしていく本だ。

 

これも1冊目のプログラミングシュミレーションと同じような発想で、国家の動態を数学(主に非線形関数)で再現していこうっていう話だ。

 

この本の最初には、かなり丁寧な微分・積分の説明があって「数3?なにそれおいしいの?」って文系生でも読めることができるのでおすすめだ!

 

やはり、一冊目と同じように、「歴史のif」をテーマとしているのがめちゃくちゃ面白い。個人的には。

 

対象とする国家も、農業文明社会に限られていて、入門書として適切なレベル設定と言える!

 

この本は、社会科学と自然科学の接点として、1つの最先端の本だと東大の教授も言っていた。それくらい勢いのある本だということだろう。

 

一冊目より簡単で、初心者にもおすすめだ!

 

著者のピーター・ターチンっておっさんは、Cliodyanamicsという学問を提唱しています。歴史を数学的にアプローチして、定量的なモデル化をする学問です。

 

彼のサイトでは、この本と同じような内容Cliodynamicsについての論文が無料で読めるので、ぜひ!

 

 

3、自衛権の基層(森 肇志)

 

 

自衛権の基層―国連憲章に至る歴史的展開

自衛権の基層―国連憲章に至る歴史的展開

 

 

あ〜〜きた〜〜〜〜、3冊目は『自衛権の基層』だ〜〜〜〜

 

最近は国内でも自衛権についての議論が盛んですが、みなさんそもそも「自衛権」が国際的にどういう概念かご存知でしょうか?

 

この本では、「実は自衛権ってのは2つの文脈があって、今なお2重の定義がされているのではないか」って話がされています。

 

今までなんとなく簡単に扱われてきた自衛権概念なんですが、それを根本から揺るがす一冊です。

 

国家同士の戦争が少なくなり、個人や組織レベルでの国際犯罪(テロリズム)などが増加していく昨今です。

 

こういう状況では、国家を前提とした既存の自衛権概念はもはや通用しなくなっていくのは明白でしょう。

 

今後の国際関係論分野では、自衛権が再定義されていくことが間違いなく起こります。

 

そして、この本はその議論に先駆けた一冊です。

 

※『自衛権の基層』は、最近英訳版の出版が決定したそうです。なので、あと数年もしたら海外を巻き込んで議論が起きそうですね。ワクワク。

 

新時代の国際関係論テーマは...

 

さて、必修に押しつぶされかけるほど国際関係論を学んできた僕が、さまざまな授業を通して「これからの国際関係論のテーマはこれだな...」と思ったことがあります。

 

それは、「モデル化」です。

 

プログラミング技術が発達してくれたおかげで、もはや歴史は教科書の中だけでなく、シュミレーションとして実証できるようになっているのです。

 

複雑系、カオス、非線形関数、Python、Cliodynamics...

 

など、一昔前に理系でもてはやされた概念たちが、満を辞して文系の学問に進出してきています。

 

そういう新しい風によって、それまでタブーだった「歴史のIf」が大真面目に議論されています。

 

国際関係論に限らず、多くの社会科学系分野は、今大きな転換を迎えようとしていると思います。

 

今までの古典を読み込むだけでは不十分で、それを数学的にアプローチし、プログラミングを用いてモデル化する。

 

そういう理系的な技術が必ず必要になってくるというのが、東大で最先端の研究を見ていて思うことです。

 

まとめ

 

さて、いかがでしたかでしょうか。改めてまとめると、現役東大生がホンキでお勧めする、今読んでほしい国際関係論の本は,,,

 

・アナーキーの社会の混沌と秩序

・国家興亡の方程式

・自衛権の基層

 

 

です!

 

ただ、買うとべらぼうに高いので、図書館などで借りて楽しんでみてください!

 

 

 

 

 

 

(図書館にあるのかな...?)

 

いつもスターありがとうございます!Twitterでも絡んでくれると嬉しいです。